「そっか」

沙耶は眉尻を下げて笑った。

「まあ、これから恋もたくさんするだろうし。次に進め! だね!」

わたしを励ますように明るく言った沙耶は、チョコバナナをぱくりと食べた。

小さく笑って、わたしは焼きそばを食べはじめる。

いつか忘れる。

とにかく今は前を向こうと思った――


買ったものを全部食べ終えて、わたしたちは一度自分のクラスの様子を見に行った。

人手はたりているみたいだから、再び校内をまわる。

手作りボーリングや、くじ引きなどのちょっとしたゲームに参加したり、最後は体育館のステージでやっていた軽音楽部のライブや三年生のクラスの演劇を見た。

沙耶はかっこいい人がいるとわたしに「見てあの人!」と耳打ちしてきたけれど、それで何かがあるわけでもなく、すれ違って終わりだ。

沙耶は「かっこいい人を発見できただけでいいの!」と言っていて、見ることができれば満足らしい。

終了時間までたっぷり校内をまわって楽しみ、クラスへ戻った。