沙耶は興味深げな顔をしている。

「双子ってことはさ、梶本くんと似てるんだよね!?」

「ああ、超そっくり。2回会ってんだけど、全然見分けつかねーよ。絢斗は弟なんだってさ」

うなずきながらそう言った敦瑠くんはうちのクラスの時計を覗くと、「ちょっと行ってくるから」と急いで駆けていってしまった。

敦瑠くんの後ろ姿を見届けながら、絢斗くんの双子のお兄さんが気になった。

しかし見に行くわけにもいかない。

沙耶はどうかな、と視線を向けると、いつのまにかパンフレットを開いて見ていた。

「とりあえずさ、食べ物まわろうか!」

顔を上げた沙耶の明るい声に、わたしは微笑んでうなずく。

わたしたちは3年生や2年生のクラスをまわり、焼きそばとたこ焼き、チョコバナナとポップコーンを買って体育館のそばにある石段に座った。

「うちら買いすぎ?」

沙耶がたこ焼きを食べながら笑っている。

「大丈夫大丈夫」

わたしはポップコーンとチョコバナナを両手に持って食べながら答えた。