だからわたしは笑顔でクラスのみんなと飾り付けをした。

駄菓子を置くために机をならべて、100円ショップで購入したランチョンマットを一枚ずつ敷く。

絵の上手な子が動物のイラストを書いて、切り抜いたものを脇にはった。

「ねえねえ、教卓もうひとつ欲しくない? 中央高くしてさ、メリハリつけようよ」

クラスメイトの一人がそう提案し、周りも「そうしよっか」と賛成する。

「じゃあ、わたし空き教室に教卓あるか見てくるよ」

わたしは前に出てそう言った。

「ありがとう! 菜々花ちゃん頼んだ!」

「よろしくねっ」

「おねがいー!」

みんなの言葉に「はーい」と返し、わたしは教室を出た。

空き教室は一組よりも奥の一番端、階段を過ぎた場所にある。

遠くない距離。廊下を歩いて空き教室を目指した。

すると、三人の男子生徒が階段をのぼってきた。

わたしはどきりとして、体に力が入る。

男子生徒は絢斗くんと同じクラスの人たちだった。