大好きなきみと、初恋をもう一度。

わたしが「呼び出してごめんね」と敦瑠くんに言ったら、彼は「気にしないで。何かあればいつでも」と、優しく微笑んでくれた。

沙耶と仲がいいだけあって、いい人だなと思った。

敦瑠くんと別れて沙耶と二人で教室へ戻る。

「なんだかわからないね」

沙耶はため息まじりでそう言った。

わたしは「うん……」と視線を落とした。

「まだ一ヶ月くらいしかたってないよね? いきなり態度変わるとかわけわかんない」

沙耶の口調が普段よりキツかった。

「菜々花の好きな人を悪く言いたくないけど……ひどいよ。せめて理由くらい言えって思う!」

険しい顔をする沙耶は、きっとわたしのことを想ってそう言ってくれている。

沙耶の気持ちに胸が熱くなった。

「沙耶、本当にありがと」

わたしは長く息を吐いて、わずかに笑ってそう言った。

久しぶりに口角を上げたわたしを見た沙耶は、少しだけ表情をゆるめた。

こうしてわたしのことを考えてくれる友達がいるんだから、学校は頑張って来なきゃいけないなと思った。