大好きなきみと、初恋をもう一度。

わたしは小さく首を縦に動かす。
すると敦瑠くんは一層心配そうな表情になった。

「ねえ、梶本くんから何か聞いてない?」

沙耶が眉根を寄せながら敦瑠くんに訊く。

「聞いてない。あんまりあいつ自分から話すタイプじゃねぇし」

敦瑠くんは視線を落とした。

「でもこの前……菜々花ちゃんを一緒に勉強しようって誘ったとき、なんかいつもと違うっつうか、冷てぇなって思った」

わたしの胸がズキリと痛んだ。
やっぱり、あの時の絢斗くんはわたし以外の人でも冷たいなって感じたんだ。

わたしは唇を強くむすんだ。

「付き合ったとき、絢斗は菜々花ちゃんのことマジっぽかったのに、本当いきなりだよな」

敦瑠くんは眉をしかめてわたしを見て、沙耶にも視線を向けた。

沙耶が口を開く。

「梶本くん、菜々花に理由言ってないんだって」

「そうか……なんだろうな」

敦瑠くんは本当にわからないようだった。

わたしは沙耶に視線を向ける。

気づいた沙耶はわたしを気遣うような瞳で見つめた。