大好きなきみと、初恋をもう一度。

画面を操作して、メッセージを開く。

『菜々花いまどこ?』
『花火はじまってるよ』
『おいー菜々花ー!』
『もう花火おわっちゃう』

夜空を見上げると、総仕上げというように花火が連発されている。

それはとても鮮やかで。

響く音を聞きながらわき上がる想い。

最後の一発を見届けて、わたしは絆創膏に視線をうつした。

もしかしてわたし、結構単純なのかも。

絢斗くんのこと……いいなって、思っちゃってる。

くすぐったい想いを抱えながら、わたしは絆創膏を靴擦れした部分に貼った。

『ごめん! いま駐車場 そっち向かうね』

メッセージを打ったわたしは立ち上がる。

痛みはあるけれど、絆創膏のおかげで直接傷にあたることはないから、マシだった。

さっきまで最悪な気分だったけれど。

今はなんだか胸がどきどきして、ふわりとした何かにくすぐられているような気分だった――