午前中で終わった学校の教室で、わたしは胸に溜まっている不安を沙耶に相談した。

絢斗くんに好きって言われていないこと。

絢斗くんはわたしのことを、そんなに好きじゃないんじゃないかと思っていること。

最近、急に絢斗くんが冷たくなったと感じていること。

たまに喉の奥に何かがつまったような感じになりながらも、わたしは話した。

「そっかあ……」

沙耶は真剣に聞いてくれて、話終えると眉を下げてわたしを気遣うように見ていた。

「好きって言葉は大事だもん。言われてないと気になっちゃうよね」

「うん……」

寄りそうように声をかけられて、少しだけ息が楽になった。

「最初二人が挨拶しているところを見たとき、絢斗くんは菜々花のことちゃんと見てて、雰囲気いいなって思ってたよ」

「そうかな」

「うん。告白されて、菜々花のこといいなって思ったんじゃないかな? そういうのでも恋ってはじまると思うし。もしただの適当な気持ちだったら、もっと話たいからって言って家の前まで送ってくれないよ。絢斗くんは菜々花のことを彼女として大事にしてるとわたしは思うなあ」

「じゃあなんで最近冷たく感じるんだろう」

「うーん……それが本当に謎だね」

沙耶は眉をしかめた。