不安な気持ちに押し潰されそう。

絢斗くんがいつもと違った。あれは絶対、冷たくなっている。

急にどうして。

わたし何かしちゃったかな。

絢斗くんはわたしのこと、どう思っているのだろう……。

不安と絢斗くんの態度の変化に、気持ちが苦しくなってくる。

絢斗くんには聞くのが怖くてそういう話はできなかった。

連絡がくると別れようって言われるんじゃないかって、びくびくしていた。

少し前までは楽しくて、毎日どきどきしてときめくことばかりだったのに。

絢斗くんの態度が前とは違う。

勉強にも集中できなくて。

テスト期間も悩んだまま過ごすことになった。


「はぁー……」

もちろんテストの出来は散々で、最終日、最後の世界史のテストを終えたわたしは、ため息を吐いた。

「やっとテスト終わったね。わたし、今回のテストの結果次第でバイト辞めさせられちゃうから、超頑張ったんだけど!」

「そうだったんだ……」

明るい声で話しかけてきた沙耶に、わたしは同じ調子で返すことはできなかった。

「どうしたの?」

わたしの暗い様子に沙耶は首をかたむける。

そっと、沙耶を見つめてから視線を落とした。

言葉にしていないけれど、何かあったと感じ取ってくれたみたい。

「話聞くよ?」

心配そうな表情でわたしの顔を覗くようにした沙耶に、わたしは限界で泣きそうになりながらうなずいた。