大好きなきみと、初恋をもう一度。

「沙耶がね、あのタコさんブサイクだって」

「だよな」

「だよなって……! でもね、見つめてたら可愛く思えてきたみたい」

「いや可愛くねーだろ」

「ブサカワだよっ」

わたしがスネたように言うと、絢斗くんは茶化すように笑っていた。

昇降口までそんな話をして学校を出たあと、自然と手をつないだ。

わたしは本当に絢斗くんのことが大好きだ。

駅まで歩いて、どこか寄ろうかという話になり、近くにあるファミレスに入った。

窓側のテーブル席で向かい合って座り、わたしはパフェを頼んで、絢斗くんはチョコのアイスを頼んだ。

「わたし甘いもの好き」

「俺は食うときは食うけど、食わなくても別にって感じ」

「男の子は甘いものよりもお肉が好きそう」

「それはどの男のイメージ?」

「……え? ええっ!? ち、違うよ! わたし、絢斗くんが初めての彼氏だって前に話したよね!? だから、あのっ」

「落ち着け落ち着け。わかってるよ。ちょっと言ってみただけ」

からかうように笑った絢斗くんにわたしはほっとしたけど、少しだけ頬を膨らませた。

絢斗くんはやっぱりくすくす笑う。

そんな彼を見ていたら、ふと、気になった。

「絢斗くんは女の子と付き合うのはじめてじゃないよね?」