大好きなきみと、初恋をもう一度。

沙耶はなんとも言えない顔でタコさんキーホルダーを受け取った。

絢斗くんも微妙だと言いたげな反応をしていたけれど、このタコさんわたしは可愛いと思う。

ちょっとブサイクなところが。

わたしは鞄の中にお弁当箱をしまい、脇にかけようとした。

すると、沙耶が鞄の外側を指さした。

「あー！　菜々花、自分には超カワイイやつ買ったんだ!?」

「あ……これはね、絢斗くんが買ってくれたの」

沙耶が見つけたのは、手に持つ部分の根本につけた絢斗くんとお揃いのペンギンのキーホルダーだった。

「お揃いか！」

「えへへ」

「わぁー、もう幸せオーラでちゃってるんですけどぉ」

沙耶は口を尖らせたけれど、すぐに笑ってタコさんをいじりだした。

「タコさんくれたの嬉しいけどさあ、なんかブサイクすぎて複雑だよ！」

「ブサイクだけじゃないよ。可愛いところもあるよ？」

「どこ!?」

「この、チューってなってる口とか」

「やだよぉ！」