大好きなきみと、初恋をもう一度。

「わがままだなんて思ってねーよ。俺もまだ一緒にいたいって思ったし」

絢斗くんの言葉を聞いてわたしはゆっくりと顔を上げた。

彼は前を見ていた。
だから横顔に視線を向けていたら、彼がこちらを向いた。

どきん、と胸が鳴ったのは、暗いなか外灯で見える絢斗くんがいつも以上にかっこよくて。

ぽうっと、彼を見つめた。

「菜々花」

自分の名前が呼ばれたのに反応できなかった。

わたしは近づいてくる絢斗くんに夢中だったから。

あっ……、と思った瞬間にはもう唇に温かい感触があった。

わたしは固まって目を見開いていて。

そっと、絢斗くんが離れて彼がわたしを見つめてきたとき、ようやく瞼が動いた。

体の奥から沸騰したようにどきどきが込み上げてきて。

顔も真っ赤になってきて、わたしは口許を両手で押さえながら絢斗くんを見ていた。

「菜々花は反応がいちいち可愛いんだよ」

絢斗くんは困ったように笑う。

それを見ているわたしの鼓動は速すぎて、頬は熱くてじんじんしてどうしようもない。