大好きなきみと、初恋をもう一度。

近くまで来て見えたワゴンのお店では、アイスとジュースが売っているみたい。

何を飲もうかなと考えていると、絢斗くんが立ち止まった。

「座って待ってて。俺買ってくる」

「えっ、でも」

「いいから。なに飲む?」

「え、えっと……オレンジジュースを……」

「わかった。そこいろよ」

絢斗くんが視線を向けたのは近くにある白の丸いテーブル席で、休憩できるように5組ほど置いてある。
その一組が空いていた。

絢斗くんは一人で飲み物を買いに行ってしまい、わたしは落ち着かない気持ちで座って待っていた。

そして、絢斗くんは両手にストローのささった大きい紙コップを持って戻ってきた。

「ほら」

「ありがとう。あの、お金……」

「いいよ。俺バイトしてるし」

微笑んだ彼にときめいて、もう一度お礼を言った。

「絢斗くん、優しいね」

「別に優しくねーよ」

「ううん。優しい」

わたしは買ってもらったオレンジジュースを見つめながら頬を緩めた。