大好きなきみと、初恋をもう一度。

薄暗い中で、水槽に魚たちがいる。

「うわあ、すごい……!」

大きな魚と小さな魚が同じ水槽に入って勢いよく泳いでいるのを見たわたしは思わず声をもらした。

絢斗くんも「すごいな」と口許を緩めている。

その横顔を見て、わたしは微笑む。

もっと色んな絢斗くんの表情を見たい――


「ねえねえ、外のプールでアザラシのショーがあるんだって」

入り口でもらったパンフレットを見ながら言うと、絢斗くんはわたしの手元を覗いてきた。

「何時から?」

「えっと、次は3時だって」

「あと30分あるな……なんか飲む?」

絢斗くんは広場のほうを見てそう言った。

そこでは飲み物やちょっとした食べ物が売られている。

「うん。休憩してから行く」

笑顔で答えると、絢斗くんはわたしの手を引いて広場の方へ歩き出した。

わたしの隣を歩く絢斗くんの引き締まった腕を見ると、胸が鳴ってしまう。