大好きなきみと、初恋をもう一度。

「可愛いって言ってんの。はい、もうこっち見んな」

困ったように笑いながら絢斗くんの右手が伸びてきて、優しく頬を押されて正面を向かされた。

彼の言葉にも、その行動にもどきっとしたわたしは、顔が熱くなってくる。

最初からこんな感じでわたし、大丈夫かな。

電車の中でずっと鼓動を速くしていた。

静まらないよ、静まるわけない……。


20分ほど電車に乗って駅から少し歩くと、水族館に到着した。

夏休みではないから混んでないだろうと思っていだけど、意外と人が多かった。

この辺で水族館といったらここだから、家族連れやカップルなどが休日は訪れるのかも。

わたしも小学校低学年のとき、家族で来たことがある。

小さかったから行ったという記憶だけしかないので、今日は楽しみだった。

「俺、水族館かなり久しぶり」

「わたしも!」

わくわくした声を出したわたしの手を絢斗くんが握った。

胸の鳴らしながら、わたしも握り返す。

屋外のスペースと建物があって、まず建物の中に入った。