ふと、ロータリーから一人の男子が歩いてきた。
外灯の明かりに照らされたその姿。
ジーンズにTシャツで茶髪。たぶん、わたしと同じくらいの歳――ていうか。
「あ……」
思わず、声が出てしまった。
それが聞こえたのだろう。相手はこちらに顔を向けた。
声が出た理由は、見たことのある知っている顔だったから。
だってだって、同じ学校の同じ学年なんだもん。
隣のクラスの男の子。喋ったことはない。見かける、廊下ですれ違う、というだけのもの。
名前は梶本 絢斗《かじもと あやと》。周りの女子たちの中で「かっこいい」と言われていたから、名前を知っている。
学校での彼は、着崩した制服と気だるい雰囲気。
なんとなく近づきにくい感じだったような。
つい声を出してしまったせいで相手は立ち止まってこちらを見ている。気まずい、どうしよう。
「こんばんは……」
とりあえず挨拶をしてみる。
周りに誰もいない、相手と一対一という状況がわたしに喋る勇気を与えているみたい。
相手はまだ数メートル離れた場所からこちらをじっと見ている。
暗がりだからわたしの姿がよく見えないのだろう。
「だれ?」
彼は近づいてきた。
外灯の明かりに照らされたその姿。
ジーンズにTシャツで茶髪。たぶん、わたしと同じくらいの歳――ていうか。
「あ……」
思わず、声が出てしまった。
それが聞こえたのだろう。相手はこちらに顔を向けた。
声が出た理由は、見たことのある知っている顔だったから。
だってだって、同じ学校の同じ学年なんだもん。
隣のクラスの男の子。喋ったことはない。見かける、廊下ですれ違う、というだけのもの。
名前は梶本 絢斗《かじもと あやと》。周りの女子たちの中で「かっこいい」と言われていたから、名前を知っている。
学校での彼は、着崩した制服と気だるい雰囲気。
なんとなく近づきにくい感じだったような。
つい声を出してしまったせいで相手は立ち止まってこちらを見ている。気まずい、どうしよう。
「こんばんは……」
とりあえず挨拶をしてみる。
周りに誰もいない、相手と一対一という状況がわたしに喋る勇気を与えているみたい。
相手はまだ数メートル離れた場所からこちらをじっと見ている。
暗がりだからわたしの姿がよく見えないのだろう。
「だれ?」
彼は近づいてきた。