椅子に座っている状態で、画面を見て固まる。心の中で「えっ!?」と声を上げた。
『今日バイトは?』
『ない』
そうだよね。だから帰ろうって言っているんだよね。
わたしは手汗をかいていた。
『一緒に帰る』
自分の打った文字を送信する前に見つめた。
二人きりで、だよね。
大丈夫かな。実はあれから……わたしは絢斗くんと同じクラスの男子に面白がるような視線を向けられていた。
しかもそれは絢斗くんがいないときで、だから恥ずかしくて仕方ない。
わたしと絢斗くんが一緒に帰るところを見られたら……やっぱり冷やかされちゃうのかな。
そう考えたら、この文字を送信するのをためらった。けど。
「菜々花、今日駅前のクレープ屋寄っていかない?」
「あわわっ!?」
沙耶が突然後ろから声をかけてきたから、指が画面に触れて送信してしまった。
わたしは唖然としながら画面を見つめる。
固まっているわたしに沙耶はどうしたのかと首を傾げていた。
『終わったらそっち行くから』
絢斗くんはすぐに返事をくれた。
「沙耶、ごめんね、今日一緒に帰れないんだ……」
「そっかぁ。あ、梶本くん?」
「う、うん」
頷くと、沙耶はにんまりしながらわたしを見てきた。
『今日バイトは?』
『ない』
そうだよね。だから帰ろうって言っているんだよね。
わたしは手汗をかいていた。
『一緒に帰る』
自分の打った文字を送信する前に見つめた。
二人きりで、だよね。
大丈夫かな。実はあれから……わたしは絢斗くんと同じクラスの男子に面白がるような視線を向けられていた。
しかもそれは絢斗くんがいないときで、だから恥ずかしくて仕方ない。
わたしと絢斗くんが一緒に帰るところを見られたら……やっぱり冷やかされちゃうのかな。
そう考えたら、この文字を送信するのをためらった。けど。
「菜々花、今日駅前のクレープ屋寄っていかない?」
「あわわっ!?」
沙耶が突然後ろから声をかけてきたから、指が画面に触れて送信してしまった。
わたしは唖然としながら画面を見つめる。
固まっているわたしに沙耶はどうしたのかと首を傾げていた。
『終わったらそっち行くから』
絢斗くんはすぐに返事をくれた。
「沙耶、ごめんね、今日一緒に帰れないんだ……」
「そっかぁ。あ、梶本くん?」
「う、うん」
頷くと、沙耶はにんまりしながらわたしを見てきた。

