再び顔を上げたときにはもう絢斗くんは友達と一緒に歩き出していて、わたしは彼の後ろ姿を見つめる。
絢斗くんはにやにやする周りに「何だよ今の?」と聞かれていて、「ん?」と首をかしげる仕草が後ろから見ていて凄くかっこよかった。
いきなり近づいた彼との距離。
「菜々花、頭撫でられてたねぇ?」
沙耶が口許を緩めながらこちらを見てきたので、わたしはもじもじしながら歩き出した。
絢斗くんの手の感覚がまだ残っている。
くすぐったい気持ちになって、わたしはぽうっと頬を赤らめながらそっと自分の頭を触った。
絢斗くんと付き合うことになって、学校での時間が以前よりもとてもどきどきするものになった。
教室の前を通るとき、今までは目なんて合わなかったのにこちらを見てくれる。
その瞬間がとても嬉しかった。
胸が高鳴って、頬が緩んで仕方なかった。
『彼氏』という言葉がどこからか聞こえてくるたびに、わたしは彼のことを頭に浮かべる――
『今日一緒に帰ろ』
そのメッセージが届いたのは、水曜日の六限目が終わったときだった。
絢斗くんはにやにやする周りに「何だよ今の?」と聞かれていて、「ん?」と首をかしげる仕草が後ろから見ていて凄くかっこよかった。
いきなり近づいた彼との距離。
「菜々花、頭撫でられてたねぇ?」
沙耶が口許を緩めながらこちらを見てきたので、わたしはもじもじしながら歩き出した。
絢斗くんの手の感覚がまだ残っている。
くすぐったい気持ちになって、わたしはぽうっと頬を赤らめながらそっと自分の頭を触った。
絢斗くんと付き合うことになって、学校での時間が以前よりもとてもどきどきするものになった。
教室の前を通るとき、今までは目なんて合わなかったのにこちらを見てくれる。
その瞬間がとても嬉しかった。
胸が高鳴って、頬が緩んで仕方なかった。
『彼氏』という言葉がどこからか聞こえてくるたびに、わたしは彼のことを頭に浮かべる――
『今日一緒に帰ろ』
そのメッセージが届いたのは、水曜日の六限目が終わったときだった。

