大好きなきみと、初恋をもう一度。

『一緒に帰れるな』

その文字に胸の鼓動がいっきに速くなった。

絢斗くんと一緒に帰る自分の姿を想像してしまったから。

うわあ。もう、わたしの顔本当に真っ赤。

これが自分の部屋じゃなくて誰か人がいるところだったら、明らかに変人だ。

『そうだね』

そう返したあと絢斗くんからのメッセージがこなくなってしまった。

もうやりとりは終わりなのかとそわそわしていたら、二十分後『悪い、充電切れてた』というメッセージが届いて安心した。

それから絢斗くんとは色々な話を文字でやりとりした。

学校のこととか。沙耶と敦瑠くんが同じ中学だという話からはじまって、勉強のこと、先生のこと。

お互い帰宅部で、放課後は大体何をしているか。わたしはバイトをまだしていないけど、絢斗くんはラーメン屋さんでバイトをしていて、夏休みはほとんどバイトをして過ごしたらしい。

今度食べに行っていいか聞いたら『いいよ。安くはできねぇけど、こっそりトッピング多くしてやる』と返ってきた。
わたしは画面を見ながらにやにやしてしまった。

夕飯を食べているときもメッセージが気になって仕方なかった。
急いで食べて「ごちそうさま!」と二階に上がっていくわたしを姉も母も「早っ」と言っていた。

ご飯の前に家族の話をしていたけれど、二人とも四人家族だという会話の途中で途切れてしまったから、続きを返すのではなく思いきって違う話をしてやりとりを再開した。

そうしたおかげか、ずっと話が続く。
絢斗くんの色んなことを知りたい。
わたしの質問にも彼はちゃんと答えてくれた。