そこにいる男子が絢斗くんなのか確かめたい。
ゆっくりと黒板の前を通り、窓側の一列目と二列目の机の間を通って近づいていく。
ひとつの窓が半分ほど開いていて、外からは運動部の掛け声が聞こえる。
他に誰もいない教室で、相手も寝ているからこんな行動ができたのだろう。
近づけば近づくほど、胸の鼓動は速くなった。
髪の感じが絢斗くんのような気がする。
席までたどり着くと、わたしは顔を見る為に机の前を通ろうとした。
――その時、半分ほど出ていた前の席の椅子に右足をぶつけてしまい、ガタッと音をたててしまった。
うそっ、どうしよう!
「……ん?」
音で起きてしまった男子は上体を起こし、寝起きのしかめっ面をわたしに向けた。
――絢斗くんだった。
彼の目の前に立っているわたし。
どうしてわたしが目の前にいるのか、不思議そうに首をかしげる絢斗くん。
長めの黒髪。整った眉と、綺麗なくっきりとした二重の瞳。
普段すれ違い様に見ているだけだった絢斗くんと目を合わせたわたしは、つのっていた想いが自然と口からでていった。
「好きです……」
彼を見つめながらそう言葉にした瞬間は、ぼうっとした感覚だった。
ゆっくりと黒板の前を通り、窓側の一列目と二列目の机の間を通って近づいていく。
ひとつの窓が半分ほど開いていて、外からは運動部の掛け声が聞こえる。
他に誰もいない教室で、相手も寝ているからこんな行動ができたのだろう。
近づけば近づくほど、胸の鼓動は速くなった。
髪の感じが絢斗くんのような気がする。
席までたどり着くと、わたしは顔を見る為に机の前を通ろうとした。
――その時、半分ほど出ていた前の席の椅子に右足をぶつけてしまい、ガタッと音をたててしまった。
うそっ、どうしよう!
「……ん?」
音で起きてしまった男子は上体を起こし、寝起きのしかめっ面をわたしに向けた。
――絢斗くんだった。
彼の目の前に立っているわたし。
どうしてわたしが目の前にいるのか、不思議そうに首をかしげる絢斗くん。
長めの黒髪。整った眉と、綺麗なくっきりとした二重の瞳。
普段すれ違い様に見ているだけだった絢斗くんと目を合わせたわたしは、つのっていた想いが自然と口からでていった。
「好きです……」
彼を見つめながらそう言葉にした瞬間は、ぼうっとした感覚だった。

