そうやってクリスマスのことを考えていたら、日増しにどきどきしてきた。

どうやってクリスマスの日一緒に過ごそうって誘おうかな、とか。

プレゼント、何をあげたらいいかな、とか。

考えれば考えるほど、緊張と不安が大きくなっていく。

とにかく当日一緒に過ごそうって言わなきゃ。

プレゼントは、買いにいくのを沙耶に付き合ってもらおう。

そうまとめることができたのは、終業式の前の日だった。


「菜々花、帰るぞ」

「う、うん!」

放課後になって絢斗くんがわたしの教室にやってきて、ドアにもたれる。

今日一緒に帰ろうって、約束をしていた。

わたしは慌てて立ち上がり、絢斗くんのもとへ駆け寄る。

絢斗くんはわたしがそばにきたのを見ると、唇の端をわずかに上げ、ドアから体を離して歩きだした。

わたしはそれについていく。

歩きながら絢斗くんの横顔をちらりと見て、そわそわしていた。

クリスマス、誘わなきゃ。