大好きなきみと、初恋をもう一度。

「絢斗お疲れ。菜々花ちゃん一人だったからさ、暗いし一緒にいたんだ」

さっき機嫌を悪くした俺を気にしてか、敦瑠は俺にそう言った。

わかってる。だからこそ、そういう風に言わせてしまったことを情けなく思う。

きまりの悪さを感じながら、俺は敦瑠にうなずいた。

敦瑠はほっとしたような顔をしたあと、友達に「帰ろうぜ」と声をかける。

「じゃあな、絢斗」

「おう、ありがとな」

そう言った俺に敦瑠は口許を緩めた。

「敦瑠くん、ありがとう。ばいばい!」

菜々花は敦瑠に手を振って、敦瑠も笑顔で振り返していた。

背中を向けた敦瑠を見送ったあと隣に視線を隣に向けると、菜々花はコンビニの袋から小さなペットボトルのミルクティーを取り出した。

「あのね、絢斗くんそろそろ来るかなって思って、さっき飲み物買っておいたよ。まだ冷めてないと思う」

菜々花はほんのりと頬を染めながら俺にミルクティーを差し出した。

「ありがとう」

受け取ったミルクティーはしっかりと温かい。

俺は菜々花に微笑んだ。