大好きなきみと、初恋をもう一度。

ツンとした態度の俺の肩を宮下さんは笑いながら軽く叩いた。

ばつの悪い顔をする俺は、それからの30分間時計ばかりを気にしていた――


「お疲れさまでした!」

次のシフトの人達が出てきて接客する準備が整うと、俺は急いで上がった。

最後までからかうようなことを言ってきた宮下さんも上がりで、俺より先に帰っていった。

さっさと着替えた俺は店の外に出る。

暗い夕方の空気は昼間よりも冷たい。

菜々花は駅前のコンビニで待っているとメッセージが来ていたので、俺はそこへ早足で向かった。

三分くらいで着いたコンビニ。
その脇に立っている菜々花を見つけた。

だけど一人じゃなかった。

そばにいたのは敦瑠たちで、四人で楽しそうに話している。

またあの感情が沸き上がってくる。

俺は歩くスピードをゆっくりにして、菜々花たちに近づいた。

菜々花が俺に気づく。

「あっ、絢斗くん。お疲れさま!」

「うん」

和やかな笑みを浮かべてそう言った菜々花に、俺は上手く微笑んで隣に立った。