大好きなきみと、初恋をもう一度。

もやもやするのは、菜々花が悪いわけじゃない。

俺が勝手に嫉妬してる。

わかってんだけど、コントロールできない。

さっき、敦瑠は菜々花が一人で可哀想だと思って声をかけたんだろう。

でも敦瑠の後ろにいる男子が菜々花に話しかけるのが嫌だった。

はあ、マジで最悪。

敦瑠たちのテーブルにお冷やを持っていった宮下さんが帰ってきて、俺を見て唇の端を上げた。

「だからさ、余裕ねえと嫌われるぞ?」

からかうような瞳を向けながらそう言われたけど、俺は顔をしかめただけで何も言い返せない。

こんなことでいちいち不機嫌になっていることを知ったら、菜々花は呆れるかも。

そんなことを考えて眉根を寄せていると、菜々花の注文した塩ラーメンが出来上がった。

こっそりコーンを多めに入れて、俺はそれを菜々花の座るカウンターへ運ぶ。

「お待たせしました。塩ラーメンです」

店員としての対応を見せた俺に、菜々花は笑顔を向けた。

「ありがとう、絢斗くん」

さっきは不安な顔をしていた菜々花だけど、今は俺を見てほんのり頬を赤くしている。

そんな菜々花が本当に可愛くて、俺は口許が緩むのを押さえるのに必死だった。