大好きなきみと、初恋をもう一度。

「一人?」

「う、うん。絢斗くんがバイトしてるラーメン屋さんに行ってみたいなって思ってて、来てみたの。一人でラーメン食べるなんてはじめてだから、緊張してて……」

「そうだったのかー。あ、こいつら地元の友達。沙耶とも仲いいんだ」

敦瑠は後ろにいる友達を菜々花に紹介している。

その中の一人が菜々花に話しかけた。

「沙耶と仲いいの?」

「うん、同じクラスでいつも一緒」

菜々花は微笑んでいて、敦瑠の友達たちもやたら笑顔。

イラつく。

俺は歩き出し、敦瑠たちのそばに寄った。

「敦瑠、早く座って」

「おー。そうだ、菜々花ちゃんも一緒にテーブルで……」

「菜々花はこっちでいい」

俺が不機嫌な声で言うと、察した敦瑠は素早くテーブル席に座った。

俺はそれを険しい顔で見つめてから、背を向けて戻ろうとした。

その時に菜々花と目が合って――俺を不安そうな顔で見てきた。

やべ。不機嫌な声をだしたから、菜々花が気にしてるかも。

俺は菜々花のそばまでいき、軽く頭をぽんっと触って厨房のほうへ行った。