「絢斗、見た目と違って純情だな」
「宮下さんが不純すぎなんですよ」
「俺は男のサガっつうもんにに従ってるだけー」
ちゃらけた笑いを浮かべる宮下さんを横目で見て心の中で呆れていた。
それからしばらく、レジ打ちやテーブルの後片付けを急くことなくやっていた。
時間進まねえなと、時計を確認してため息を吐いたとき、店のドアが開いた。
お客さんだ。
入り口のほうを見て「いらっしゃいませ」と声を出そうとしたけど。
「いらっしゃ……」
言葉は途切れて、そのまま俺は固まった。
背を向けている厨房のほうから「いらっしゃいませ!」とはきはきした声が通る。
俺は入り口に立っている人物を見つめたまま動けなくなってしまった。
そこには菜々花が立っている。
俺を見つけた菜々花はもじもじとうつむいて、再び顔を上げて恥ずかしそうに小さな笑みを浮かべた。
菜々花? 菜々花だよな?
「……どうしたんだ?」
俺は店員という立場を忘れて、突然現れた菜々花のそばに寄って驚いた顔をして聞いた。
「え、えっと、絢斗くん今日バイトだって言ってたから……前から食べに行きたいなって思ってて、課題も終わったしこの時間空いてるって絢斗くん言ってたから……一人でラーメン屋さんに入ったことなくてどうしようって思ったんだけど、えいっ、て入ってみました……」
「宮下さんが不純すぎなんですよ」
「俺は男のサガっつうもんにに従ってるだけー」
ちゃらけた笑いを浮かべる宮下さんを横目で見て心の中で呆れていた。
それからしばらく、レジ打ちやテーブルの後片付けを急くことなくやっていた。
時間進まねえなと、時計を確認してため息を吐いたとき、店のドアが開いた。
お客さんだ。
入り口のほうを見て「いらっしゃいませ」と声を出そうとしたけど。
「いらっしゃ……」
言葉は途切れて、そのまま俺は固まった。
背を向けている厨房のほうから「いらっしゃいませ!」とはきはきした声が通る。
俺は入り口に立っている人物を見つめたまま動けなくなってしまった。
そこには菜々花が立っている。
俺を見つけた菜々花はもじもじとうつむいて、再び顔を上げて恥ずかしそうに小さな笑みを浮かべた。
菜々花? 菜々花だよな?
「……どうしたんだ?」
俺は店員という立場を忘れて、突然現れた菜々花のそばに寄って驚いた顔をして聞いた。
「え、えっと、絢斗くん今日バイトだって言ってたから……前から食べに行きたいなって思ってて、課題も終わったしこの時間空いてるって絢斗くん言ってたから……一人でラーメン屋さんに入ったことなくてどうしようって思ったんだけど、えいっ、て入ってみました……」

