周りが静む中お華は険しい顔を戻し桜に言った

「桜さん先の人…椿の方様には気おつけて下さい。」

「どうして?」

桜に聞かれお華は昔の事を思い出してしまった

「あの人はね。お市様をお恨みに成っているのよ」

「恨み?お市様その人に何かしたの?」

そう聞かれお華は首を振った

「ううん。お市様は何もあの人は正室なのよ。」

お華の説明が足らなかったのか桜は首を傾げた

「正室ってのはね。長政様の最初に見染められて嫁いだ人よ。」

と説明すると分かったようで「あっ。うん。」と返事をした

「お市様は継室なの。長政様は椿の方よりもお市様をお愛しされてお市様と長政様の間にもお二人のお子様がいらしゃるしお腹に子もいらしゃるけど椿の方と長政様の間にはまだ子がいないのです。」

お市の他に傷ついた人がいる

側室の八重は長政の間に子がいたまだ女子だったら良かったけど男子だった

この時代武将の間に男子の子生むとやがてその子が将来大人になって武将の跡を継いだ時に武将の母になれる

この時代武将の母は名誉のある事でどこかの武将に嫁いだよりもこちの方が名誉がある事だった

それに嫉妬した椿はまだ幼い八重の子に毒を盛った

子を失くした八重は自分の部屋へと籠ってしまった

部屋へ籠ってしまった八重は誰にも会わなくなってしまった

会うことが出来るのは夫である長政と自分の新人以外の女房だけしか会わなくなってしまった

何度もお市が会おうとするが会う事は叶わなかった
未だ部屋に籠りきりのままだ