「そんな急いでどこ行くわけ」
大樹兄ちゃんはにやにやしながら俺に問う。
「ステラに買い物だけど」
「な~んだよー」
大樹兄ちゃんは心底残念そうにごみ袋を振り回す。
ステラとはここの海の家の店名である。
「なんだと思ったわけ」
俺は店の裏の道路に自転車を止め、
砂浜に飛び降りた。
「っよっと」
「なにって女の子に決まってんじゃぁん」
「まだ言ってんの?」
俺は砂浜をサクサク歩くと、
店ののれんに手をかけた。
「まだ…ってお前健全な高校生だろうが!!」
大樹兄ちゃんはごみ袋をもったまま
店に戻り、話を続ける。
