『――― どうだ、シャボン玉がどこから湧いているのか掴めたか?』

「いえ、風に乗っている訳でもないです、数は増えていますが・・・」


シャボン玉は、ただそこに存在している。意思を持つわけでもなく、風に流されるわけでもなく。

ただただ、そこに在るのだ。



「ああ、このシャボン玉はまるで・・・」

『――― どうした町田?』


「ただ、シャボン玉はここに存在しているんです。これは異常気象なんでしょうか?」

『――― モノレールが止まってるんだ。交通機関に影響が出ている以上、異常気象だ』


異常気象が異常と感じなくなった昨今、より異常な現象が現れるようになった。

この現象は自然界からの人間に対する警鐘なのか。
それとも自然とは違う何者かの意志が働いているのか。