鎌倉の町は坂道が多いうえに、狭い路地が入り組んでいる。

私は野良猫を轢かないように細心の注意をはらいながら、愛車のママチャリをかっ飛ばしていた。



空を見上げると、ふわりふわりとシャボン玉が漂っている。

「風上は・・・・・・」


私は風を読み、路地と路地の間を通り抜けて進んだ。


シャボン玉の発生源を特定しなければ、対策がとれない。

異常気象予報士の自分がシャボン玉の予報を読めなかったせいで市民に迷惑をかけるかもしれない。

せめて、発生源を特定して異常気象予報士として役に立ちたかった。