「鎌倉市北部に大量のシャボン玉が発生しました」


後輩の異常気象予報士がモニターを見ながら言った。


「子供が遊んでいるんだろう?」


上司がチャイティーラテを飲みながら言った。

心のなかで上司に「女子か!!」と突っ込みながら、私は後輩と並んでモニターを見た。


確かに、大量のシャボン玉が発生している。

江ノ電は動いているが、モノレールは止まってしまっている。

「シャボン玉とは予測できなかったな・・・」

上司がため息混じりにつぶやいた。

「とにかく、現場に向かいます。シャボン玉のサンプルを回収して分析しましょう」


私はすぐに、異常気象課のある気象庁神奈川センター鎌倉管轄観測所を出発した。