私は咲希を連れて自分の部屋へとやって来た

そして、奥のクローゼットから淡いピンク色のドレスと装飾品を取り出した

「こんなに色々着けなきゃいけないんだよ…
面倒なんだから正装になれなんて
簡単に言わないでほしいよ…」

「え~、でも私睦月の正装を早く見たいな!」

「あっそうそう咲希も貴族の家柄でしょ!
咲希も正装しちゃいなよ~
私お化粧に時間かかるから
手伝ってもらうまでまだ時間あるし!
まぁ決定ね!
じゃあ互いにドレスを着せあって
って感じで♪
私もなるべく早くそこまでいくように
するから!」

「え~
そんな日頃ドレスなんて持ってないよ…
やってることが貴族っぽくないから…
睦月がドレスを貸してくれるならいいよ!」

「貸してあげる!
だからメイクしてきて!
勿論ヘアメイクもだからね!」

「はーい!
じゃあ終わったらノックするね!」

「りょーかい♪」

私は咲希と別れまず最初にメイクを
することにした
私はよきメイクするとすごい印象が変わるって言われるから、あまりしたくないけど
今日はしょうがないからな…

それから私は約30分かけて顔のメイクを
終わらせた

「今日もいい感じ♪
ヘアメイクはいつものあの子を
呼んじゃおうかな~
あっでも毎回呼ぶの大変だから使い魔に
なってくれるって言ったら契約
しちゃお!
まずは魔方陣を広げて~

愛の女神ビーナスよ
今ここに現れ私と契約したまえ」

『この声は睦月様ですね?
またヘアメイクですか?』

魔方陣が金色に光りビーナスが出てきた

「そうそう!
あっでもね、お願いが…」

『なんでしょうか?
使い魔になりましょうか?
睦月様の』

「そうそう!
やっぱビーナスには隠し事出来ないか…
私と同じで読心術使えるもんね~」

因みに読心術というのは相手が心の中に
思っていることを理解することができる
能力だ

『いいですよ!
寧ろ私が睦月様の使い魔になりたかった
ところですよ~
多分それで顔のメイクは終わったって
ことですもんね…
まだまだですから~
最初から私がやりますから!

これからよろしくお願いします!』

「今日は上手く出来たと思ったのに…」

私はビーナスにメイクを修正してもらい
そのままヘアメイクもしてもらった

ちょうど終わった頃、睦月の部屋に咲希が
入ってきた

「こんな感じていいかな?
えっ誰!?」

『私はビーナスともうします
無理に睦月様の使い魔にさせてもらいました
よろしくお願いします!
あと、少し修正させてもらってもよろしい
でしょうか?
少々気になる点が…』

「えっ… うん
じゃあお願いします!」

咲希はビーナスの、修正によりもっと
きれいになった

「これ、本当に私なんだよね…
信じられない…
あっ、ありがとうございます!」

『どういたしまして』

そして私達はドレスを選ぶことになった
本来私は淡いピンク色のドレスを着る
予定だったが、ビーナスにそれはないと
言われてしまったのでまた選ぶことに
なった

「私は睦月にはこのドレスがいいと思うよ!」

そう言って咲希が選んだドレスは色は
水色と控え目なのだが見た目はとても
派手なドレスだった

「絶対似合わないよ~
他のにしようよ!」

「絶対似合うから!
ビーナスさんも似合うと思いません?」

『すごくお綺麗です!
ぜひこれにするべきです』

二人からおすすめされたので結局睦月は
このドレスにすることにした
咲希は緑系の色のドレスに決め、
ビーナスにも手伝ってもらい無事に
二人とも着替えを終えることができた

「ビーナス、ありがとう!
もう戻っていいよ!
私に使い魔が増えたことは内緒だから…」

『かしこまりました
それではまた必要なときにお呼びください』

私達は優翔が待っているリビングへと
降りていった

「遅いよ~
てか何で咲希まで正装をしてるの!?
馬子にも衣装だな!」

「事の成り行きでね…
馬子にも衣装とか酷い!」

「喧嘩はしない!
ずっと待たせておいて悪いんだけど、
優翔も正装をしてきて!
待ってるから!」

またしても事の成り行きで優翔までもが
正装をするはめになった
しかし優翔はすぐに着替えを終えて戻ってきた

「早いわね
そろそろ時間だから行くわよ!
あんまり心配しなくて大丈夫だから
この姿はあまり他の人に見られたら
大変だから、瞬間移動で行くから
私につかまって!!」

そして三人は理事長室の前までやってきた