「やっぱり.....。」

ダンボールには"拾ってください"とマジックで書いてあった.

なかには,小さなタオルと,水,ご飯だけが置いてある.

「捨てられたばっかり...?」

タオルも水も綺麗だった.

猫はてしてしと俺の胸を叩く.

「ん?降りるか?」

俺は,猫をダンボールの中に降ろした.

猫は,ぺろぺろと小さな器に入った水を飲む. 

その姿はとても惨めだった.

猫はまだ1歳ぐらい.まだ子猫だろう.

「こんなに小さいのに....」

俺は,水を飲んでいる猫の頭を撫でた.