「…怪我はしてなさそうだな。」

ふっと微笑むと猫は俺の頬をペロッと舐めた.

「わぁ!くすぐってぇよ!」

猫を顔から離し,膝の上に置いた.

猫はゴロゴロとのどを鳴らし,気持ちよさそうにしている.

「お前、捨て猫なのか....?」

猫には首輪が無かった.

家の中で飼ってたら首輪がないのはわかるが...。

猫を撫でながら,辺りを見回した.

すると,植木の近くにダンボールがあるのが見えた.

「もしかして....。」

猫を再び抱き上げ,ダンボールの元へ行った.