ノイジーマイノリティー




時間は一時間ほど経ったのに



テラスの下は



まだ沢山の車や人が行き来している



そこから様々な音が



上がってくる



車のクラクション



横断歩道のメロディー



人の話声



車のエンジン音



名古屋の音は



これなのかなと



思った



今頃ハルは




どんな音を鳴らしているんだろう




ハルの演奏を聴きたくなった



明日はハルの部屋で



音符と遊ぼう




そう思っていると



ハルから



終わったとメッセージが来た




皆でピースをしている写真が



ついていた



私も蘭と一緒に写真を撮って



送る



もちろんピースサインしてみた




蘭が転送してというので




転送すると、早速圭介にも



メッセージを送っていた




私も蘭も幸せだった



圭介は新幹線に乗ったところ



だったらしい



夕焼けの写真が送られてきて




蘭と二人で写真を見た




あと一時間ほどで名古屋駅に



着くと書いてあった



私は蘭を叩いた



「じゃ、も少しここで待っていよう。」



ワインをもう一杯ずつ頼み



おつまみになりそうな



料理を追加した



そこへハルからメッセージが届く




明日名古屋に帰ると書いてあった




愛果が寂しがって泣くからさ



なんて書いてあった



嬉しさのあまり




顔が緩んでゆくのがわかった




その私の顔をみて、蘭が




私のスマホを覗き見た




そしてそのメッセージを見て笑った




私は照れて



圭介に蘭がいじめると



言ってやるからと




反論した




蘭は聞こえないふりをして




運ばれてきたワインを手にとった



そして



もう一度乾杯をした



空を見上げると



街の明かりがまぶしくて



星はみることができなかった



でも



そこには必ず星があるのだ




どこにいたって



心が繋がっていれば



きっと大丈夫