ノイジーマイノリティー



蘭が圭介と



一緒に住むようになっても



こうして一緒に



時々でいいから食事をしたり



一緒に夜遅くまで



どちらかの部屋で



おしゃべりしたり



そんなことができることが



すごく嬉しい



東京に行ってしまった時は



そんなことできなかったから



東京と名古屋という



距離のせいではないと



今は思う



タイミングやきっかけなど



小さな積み重ねが



信頼を生む



だから



多分、私が東京に行ってしまっても



大丈夫だと思う



ハルが今度のツアーが終わったら



迎えに来てくれるという話を聞いて



一番喜んでくれたのは



蘭だった



「愛果はどうするか



考えたの。」




そう蘭か聞いてくれた



私は転勤になった



営業事務の女の子の話をした



「私、東京の営業所に



転属願い出してみようかな



なんて思ってるんだ。」



それは



今日思いついた事だった



何年かすると



帰ることもできるはずだった



それを聞いた蘭の顔が



ぱっと明るくなった



「それがいいよ。」



結婚で自分の職場や



仕事を変わらなきゃいけないなんて



もったいない話だ



新しい環境で



新しい仕事を始めるより



転勤なら



安心だ



「これで、東京に



遊びに行った時の



ホテル代はいらないわ。」



と蘭



「名古屋に帰りたくなったら



よろしくね」



と私



ワインを一本、二人で開けて



ご機嫌になっていた