ノイジーマイノリティー




メニューを見ながら



何を注文するかも考える



一番楽しい時間かも



夜だから量が多い



セットメニューしかなかったので



単品でサラダとパスタとワインにした




ワインがメインだ




しばらくして席に通される



注文をさっさと済ませると



顔を見合わせ



お互いに今日の出来事を話した



蘭も忙しかったらしい



圭介も出張で東京に行っている



ハルも北陸にいるんだと言うと



そうなんだと再び顔を見合わせた



ワインとサラダが運ばれてきたので



乾杯をする



一口飲むと



ちょっとほっとした



秋の風は心地よく二人の間を



すり抜ける



「今日は一人転勤してきた人がいたよ。」



サラダにフォークを立てながら



蘭がふーんと頷いた



手すりの向こうに広がる夜景を見ながら



蘭も会社での出来事を話す



離婚しているということで



嫌な目にあってきた蘭



以前はこうしてお酒を飲むと



愚痴が多かったけど



今日はそうでもなかった



仕事を始めて一年ほど経ち



仲間が沢山できたみたい



圭介との結婚も



彼女を幸せにしている気がする




「準備とか忙しいの。」



と私



蘭は首を横に振った



「私は二度目だから



家族だけでするんだ。」




どこでと聞くと



地元の小さなウェデングもできる



レストランの名前が出た



式は来年の春



圭介の仕事が落ち着いたらみたい



もう既に圭介の部屋に



一緒に住んでいるから



実感がないと蘭は笑った