音楽とバイトの日々
学生時代の友人は
夢より仕事を選んでいく
サックスの技術を磨く事に夢中だった俺
友達との会話も
すれ違い
いつしか音楽に
のめり込んだ
それ以外に夢中になれなかった
ただ楽しかった
大好きな音楽に夢中になることが
幸せだった
パームビーチでの生活は楽しかった
普通の会社員だった父は
俺に普通の生活をする様に
薦めた
心配だったんだと思う
家に余裕がないわけではなかったし
一人息子の俺に期待もしてたんだろう
音楽の大学へ行くという道が
なかったわけではなかった
でも
そんな安易な生活が
利口な選択だと
かっこつけて話す友人が
本当はあまり好きでは
なかった
多分
そいつ自身が嫌いだったんだと
思う
なのに俺の心には
音楽に対しての出逢いへの
喜びで溢れていた
パームビーチでの
沢山の出逢い
学校での満たされない思いは
そこで
音になり
人へと伝わる
ある人は
感動してくれて
ある人は
ハッキリと駄目だといった
また
同じ年配のミュージシャン達の
音楽ができる事への喜び
そんなものが
パームビーチでの俺の毎日に
花を添えていた

