出来上がった曲が素晴らしく
なればなるほど
みんな作りだす音楽に
夢中になっていくのがわかった
私も引き込まれて聴き入っていた
その頃には私がいないみたいに
なった
居心地はとてもいい
だってこんな素敵な演奏
無料なんだもん
リズムを取ったり
躰を揺らしたり
楽しくて
壁にかけてある時計が
七時を示していたことに
お腹が空いて気が付いた
そういえば
来るときに近くにコンビニが
あったっけ
喉も乾いたし
買い物に行こうかな
ハルが時々心配して
こちらを見た
今度見たら合図してみよう
そう思っていると
ピアノの人休憩しようかと
声を掛けた
それまで皆集中していたのが
その言葉で、現実に戻ったように
話を始めた
そして楽器を片付け始める
ハルも楽器をしまうと
私に近寄って来てくれた
先に用意を終わった人たちも
次々に部屋を出て行く
時々、ハルの肩を叩いて
軽く挨拶してくれる人もいた
皆、ちょっとニヤニヤしていた。
なんだかそれも少し嬉しい
照れたハルの顔がまた可愛くて
嬉しい
特別な存在として扱ってくれてるのが
すごくよく判った。
「お腹空いた?大丈夫」
ハルがそう聞いてくれた
私は正直に答えた
「うん、少し。
ねえ、コンビニでなんか買ってこよっか」
そう言ってみた

