ノイジーマイノリティー

ハルは少し照れた顔をしながら



それでも




自分の楽器が置いてある



椅子の横に座り



楽器を取り出した



皆も楽器を取り出して



鏡に向かって並び始めた



椅子と譜面台を持って行って



不規則に並ぶ



準備ができた人から



音だしを始めた



今日はギターの人が最初だった



鏡の一番前に座って



ギターの弦を弾く



なんの意味もない音の並びが



続けるごとに



一つのメロディになる



そのうち


ハルのサックスの音がそこに加わった



ハルも最初は意味のない音を



出していると思っていたが



聴いていると



ギターに合わせた



メロディになっている



二人がきれいなハーモニーを



作りだし、満足して目を合わせて笑った




考えてみたら



リハーサルを見学したのは



初めてだ



いつも少し綺麗にプレスされた



白いシャツを着て



黒のパンツを穿き



何食わぬ顔で



ライトを浴びながら



演奏しているハルしか



見たことがなかったから



少し戸惑う



今日は楽しそうだ



そこへ



次に用意のできた



コントラバスが入ってきた



するとメロディは



また違ったものに変化した



ベースの音が強くなった



そこへトランペットが登場



見たこともない指さばきに



驚いた



トランペットが入ってので



音に広がりができた



もう一つの音楽になっていた



私は聴いているだけで



ドキドキした



一人で聴いているのが



もったいなかった