彼と歩く東京
思ったより暑いんだ
ビルが多いから
日陰が多い
その間から、夏の光が容赦なく
照りつける
夏の日差しも
息を止めるほどの
熱気も
全然怖くない
だって今
ハルと一緒にいるから
思わず彼の握る手を
ぎゅっと握り返す
本物だよね
夢じゃないよね
それに彼が気が付き
振り返る
目が合って微笑む
わーん
もう死んでもいいや
って、死んだら駄目だ
これから楽しくなるんだから
スタジオは思ったよりも
全然近かった
ファーストフードのお店を出て
駅とは反対のほうへ
歩いて
信号を三つ越えた場所にあった
ビルとビルの間の信号のない
道を少し入ると
ビルが並んでいて
その三軒目のビルらしい
スタジオの名前の看板が掛けてある
ビルの中に入る階段を
ハルに連れられて上がっていく
時々ハルが私を見た
私は初めての場所に興味深々で
話すことも忘れて
辺りをキョロキョロした
二階にロビーがあり
受付になっていた
簡単なカウンターとソファ
誰もいない
ハルは気にせず
中へと入っていった
ドアの並んだ廊下を歩く
しばらく行くと
休憩スペースがあった
ソファとテーブル一式
そして自動販売機
その隣の扉を開けた

