その日は朝から
良い天気になった
良すぎて暑かった
名古屋の駅前
ビルとビルの間から
差し込む夏の朝の光
痛いくらいだ
荷物は少なくしたくて
ショルダータイプの
バックを選ぶ
昨夜はドキドキして
眠れなかった
眠い目を擦って歩く
土曜日の早朝なので
駅は人もまばらだった
ハルの真似をして
新幹線側にある壁画を
写真に撮ってラインで送る
待っててねと
メッセージを添えて
すると
ハルからすぐに返信がきた
気をつけてくるんだよ
わーん!
ハル、ありがとう
なんて心では思いながら
ありがとうなんて
そっけない返信しか
書けない自分
うーん、情けない
とりあえす
勇気を貰い改札をくぐった
予約した新幹線を探す
夏休みに入ったばかりで
家族連れが多い
楽しそうな子供達を見ると
子供の頃を思い出す
家族と行った両親の実家
母の実家は新幹線でなくては行けなくて
小学生や中学生の頃は
何度が乗った
その時は両親がいたから
ただ楽しんでれば良かった
調子に乗って
よく迷子になりそうになった
だから
ちょっと心配
もう何年も行ってないし
駅も道もすぐ
変わってしまう
それでも
ハルの笑顔が見たくて
あなたに会いたくて
こうしてここに来た
会ったらなんて言おう
想像するともう駄目だった

