ノイジーマイノリティー




このままずっと話していたい



本当はあなたに触れていたい



そんなことを思うと



電話を切ることが辛くなる



その後にハルがいないと気付くからだ



それが何より辛かった



少しの沈黙の後



ハルが突然こう言った



「愛果、東京こない?



俺もう耐えられない」



その言葉が胸を締めつけた



うつむき、スマホをギュッと



握り締める



ワガママなハル



でも、そんな所が大好き


そう思ったら止まらなくなった



駄目だ


限界なのは私の方



けれど素直じゃないから


ふーん


なんて気のない返事を返す



本当は


部屋の壁に貼ってある



カレンダーを眺めていた



次の連休なら



大丈夫かな



そう思ったらドキドキしてきた



もう、新幹線とか切符ないかなぁ



ハルをガッカリさせたくない



考えとくと返事をする



「今度の連休とかなら



大丈夫かな



調べとくね」



するとハルが



やったー!と喜んでくれた



俺、その日にリハーサルがあるけど



愛果も見においで



その後、一緒に飯でも食べよう



そう言った



切符が取れるか



分からないから



また連絡するね



そう言って電話を切った






次の日



新幹線の予約をしてみた



まだなんとか大丈夫そうだった



ハルにそう電話をする



そっちに着くのは



お昼過ぎになりそう



ハルはすごく喜んでくれた



それが



また嬉しくて



気をつけてくるんだよ



なんて言葉に



ちょっと切なくなる



でも、ホントに行けるかなぁ



初めての一人旅



ドキドキは止まらなかった