ノイジーマイノリティー




隣の席のオトコの子が



びっくりしてこっちを見た



聞いてたな



ま、いいや



それより彼女だ



や、ここはおめでとうだ



私はとりあえすおめでとうと言う



焦って



おめでとうにとりあえずまで



つけてしまった



あ、馬鹿だな



すぐに訂正する



蘭はその言葉に笑った



いいよ、気にしない



それにそんな気分なんだ



と続けた




これはちゃんと聞いてあげないと




私は次の言葉を待つ



あら、珍しく言葉がないよ



「嫌ってことなの?」



彼女の気持が知りたい




そんなことないよね



私だって



蘭も圭介も



無くしたくないよ




「違うんだ多分



自信がないの」



そう言ってうつむく



「でも、圭介は



蘭のこと好きだよ」



見てれば判るよ



いつもとても



仲がいいんだから



羨ましく思ってるんだよ



二人を見てると



ハルが恋しくてたまらなくなる



「知ってる、だからだよ



だから彼を傷つけたくない



私一度失敗してるから



前の結婚だって



その時は真剣だったんだ



結婚する時」



そうか、そうなんだ



「でも、すぐに



現実に気がついて」



そう言って寂しそうな顔をした



「離婚歴があると、何かと彼に



辛い思いさせるんじゃないかって



もっと彼には



お似合いの人がいるんじゃないかって



思っちゃって」



そう話す蘭は



とても綺麗だった



好きなんだね



圭介のこと



大好きで



好き過ぎて



臆病になる気持よく判るよ