ノイジーマイノリティー




そんなことを言われて



ちょっとくすぐったくなった私



イタズラ心がムクムク湧き上がる



「ありがと蘭



自分こそどうなの



圭介は今日も仕事なんだ



大丈夫」



圭介はエンジニア



今大きなプロジェクト任されていると



この間会った時話してたっけ



その話になった途端



蘭が



悲しそうな顔をした



「そうなんだ



なんだかすごく差がついてる




気がする」




そう言って蘭は




ジョッキの底に残った



チューハイを飲んだ



そしてもう一杯注文する



「今日もさ出張だって



先輩もだった」



ん、ん先輩って



蘭の会社の先輩のことかな



そう尋ねた



「そう、また留守番



別にいいんだ、でもさ



ちょっと悔しい」



蘭は大学を出て



就職せず結婚した



上手くいかず



一年ほど前に返ってきて



就職した


「離婚歴があると、



世の中冷たいんだよね



何か私に原因があったからだと



思われるんだからさ」



私には良く分からない



でも



確かに給湯室での会話だと



その手の話は



注意を引きやすい



でも



そんな人ばかりじゃないよ



私は蘭に大丈夫だよと言った



蘭はありがとうと笑った



そうだよ



そんなこと言う



下らない人は



ほっとけばいいよ



「ごめん、なんだか不安で」



そう言って笑った



「実はプロポーズされたんだ」



私はその言葉に



飲みかけたチューハイを



吹き出しそうになった



驚いたのだ