酔った蘭て
本当に可愛い
隣の席のオトコの子
蘭と同じ並びの席の方
蘭のこと
さっきから
チラチラ見てるよ
私はそれに気付いて
ちょっと優越感に浸る
私達まだまだいけるよね
なんてね
でもごめん
私も蘭も
もう大切な人がいるんだよ
そう思った自分の気持に
少しくすぐったくなる
そして
胸に甘い気持ちが
広がるんだ
自慢とか
優越感じゃない
自分という人間を
大切に思ってくれる人が
いるということ
だから
その人を全力で
大切にしたいって
心の底から思えるってこと
例えば
ハルが今私を見て
不安になったりする様な
ことしてしまうとする
その瞬間の
ハルの気持
悲しむ表情
そんなことを考えると
もうそれだけで
たまらなくなってしまう
あなたの悲しむ表情なんて
絶対みたくない
その原因が
自分なんてきっと
耐えられないから
「私さ、多分
愛果が悲しむ表情だけは
絶対見たくないんだ
しかも
その原因がハルなんて
もしもそんなことになったら
絶対耐えられない
二人とも無くしたくないよ」
そう蘭が呟いた
ありがとう蘭
素敵な酔っぱらいだね
こんなこと
酔ってなきゃ
恥ずかしくて言えないよ
きっと

