「....でも」
「じゃあ、今度は凛が買ってよ」
そう言って屈託なく笑った優くん。
「....うん ! では、ありがとう。」
私はそう言ってジュースを軽く上げた。
すると、優くんは
「どーいたしまして」
と、それから
「ちょっと、座ろっか」
と言った。
そして、私と優くんは中庭のベンチに座った。
「...凛...」
「...ん?」
「...なんかあったらさ、何でも言ってな?」
「え?...なんで」
「....ぃーや、何となく。」
そう言ってハハッと笑った優くん。
「....そう言えばさ、凛の背中にさ」
「.....せ、背中になに?」
優くんはじーっと私の背中を見たまま。
「...虫が」


