三神くんと私。



「....何してるの?」

そう言って近付いてくる三神くん。

すると、さっきまで笑っていた優くんの
顔がだんだんと引き締まっていく。


「....いやっあの....」

なんて言おうか焦っていると

「....あのさ前に貸した本、
ちょっと使いたいから、返してくれる?」

そう言われて、"うん"と言った。

「....ごめんね、今、家にあるから
後でお家に返しに行くね。」

「....わかった、じゃ待ってるよ」

そう言って、去っていった三神くん。

その後ろ姿をそっと見ていた。

すると、優くんに名前を呼ばれ我に返る。

「....あ、ごめんね。そろそろ戻らないと
結ちゃんずっと1人で勉強してるよ…」


そう言って立ち上がって、私達は図書室へと向かった。