貪る様な乱暴なキス。
何度も鼻がぶつかっては、少し傾けて奥へ侵入しようとする。
息をするのも忘れるような。
誰にも怒られるわけじゃないのに、別に本当の姉弟じゃないのに、誰かに知られたくないような不安を飲み込まされるキスだった。
「ふぁっ」
やっと離されたと思ったら、蝶矢はネクタイを解くと私の右手に巻いた。
そして自分の左手にも巻くと、そのまま腰が抜けた私を支えてリビングの隣の部屋へ押し込んだ。
息を整える暇もなく、突き飛ばされたのはベット。
蝶矢のベットだ。
「蝶矢!」
「心配しなくても何もしません。でも今貴方を逃がすと、もう会えない気がするから逃がしません」
蝶矢もベットに入って来た瞬間、どんな反応をしていいのか分からず思わず背を向けてしまった。
「全部捨てるって、簡単に言いますがそれって無責任すぎますよね」
「何よ、説得でもしたいの? キスまでして」
思い出してしまい、口を乱暴にごしごし拭くと、ルージュが薄くなっていた。
背中を向けた蝶矢の唇に移ってしまったのだろうか。



