右肩の蝶、飛んだ。



「俺も貴方も、蝶の麟紛で酔ってしまったのか未だに捕われて迷子になってしまっていますよね。俺、貴方が働くアトリエの名前が『Butterfly』って聞いた時になんとなく、です。賭けたんですよね。美崎さんが居る気がして」

「……」
「だって俺達は、ただただ暗闇を舞う蝶のそうに誰にも気にも止められない存在なのだから。未だに蝶に魅せられているのだから」

饒舌だ。こんなに喋る蝶矢を私は知らない。
きっと自分の意見が何も通らないあの家庭では話す意味が無かったのかもしれないけど。
彼はこんなに優しく穏やかな口調だったのかと、私は今の蝶矢から過去の蝶矢を探り寄せている。

「ここです」