右肩の蝶、飛んだ。


直臣さんはそう笑ってくれた。

彼には、過去の登場人物である蝶矢なんてきっとどうでもいいんだ。
だから、私も気にしていないふりをしなきゃいけない。

「頑張ります」
「うん。それでこそ、胡蝶だ」

ビールを一気飲みすると、綺麗に笑った。
その様子を、店長が嘆息しながら見ている。

私の目の前には、ジュースが置かれたから、もう本当にこれで帰らなければいけない合図でもあった。